コラム

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2015/05/27

 [ Vol.2 タイ南部 パッタルン県 ]

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 ソンクラー県からパッタルン県へ入ると、パッタルン県のシンボルでもある「オクタル山 (カオ・オクタル)」が見えて来た。 パッタルンと聞いてすぐに分かる人は、タイ南部に精通している、もしくは野鳥愛好家、タイ南部の伝統芸能である、”ナン・タルン”と呼ばれる影絵紙芝居に興味がある人くらいだろうか。タイの中でもマイナーな県に入るであろうパッタルン県だが、アユタヤ時代には天領だったり、タイ王室一級寺院、温泉、野鳥愛好家の間で有名な野生保護区「タレー・ノーイ」があったりと歴史と自然の街でもある。

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 ハートヤイから鉄道以外の陸路で他県へと移動する場合、ハートヤイ市内の東にあるバスターミナルを利用するか、空港に近い “タラート・カセーッ” と呼ばれる2014年にできたばかりの北方面(トラン、クラビ、プーケットなど)行きのロットゥー専門ターミナルを利用する事になる(厳密に言えばバスターミナル周辺からも北方面行きのロットゥー乗り場は存在する)。今回はバスで移動する事にし、ハートヤイ市内のバスターミナルへ向かった。

 ハートヤイのバスターミナルからトラン方面行きのバスに乗り込んで約90分。パッタルン市内に到着したのは良いが、パッタルンのバスターミナルは郊外にある為、市街地にほど近い国道4号線ペッカセム通りにある普通のバス停で降ろされてしまった。周りを見渡してもバイクタクシーもいなければトゥクトゥクもいない。荷降ろしの作業を終えたバスの乗務員は「ここで待ってれいばそのうちバイクタクシーが通るよ。」と言い終えると足早にバスへと乗り込み、トラン方面行きのバスは白い煙を吐きながらみるみるうちに小さくなっていった。

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 「まあ何とかなるか」とバス停のベンチに座っていると、タイミング良く1台のバイクタクシーが走って来た。宿探しとパッタルン市内の主要箇所を廻る交渉をし、まずは降りるつもりだったパッタルンのバスターミナルへと向かった。国道41号線沿いから少し入った所にバスターミナルはあった。思ったよりも大きなターミナルで建物も新しいようだ。ここからタイ南部の各地へ様々な等級のバスとロットゥーが出ている。次の訪問予定地であるトラン行きのバスをチェックし、次に国鉄パッタルン駅へと向かった。駅前へと到着したがこれといって何かあるわけでも無く、高いビルも建っていない。後で分かった事だが、繁華街は駅前からほど近いラメース通りというメイン・ストリートで、そこには映画館やKFCなどが入った商業ビルがあった。バイクタクシーの運転手に聞くと、この駅前周辺は夜になると市場が出るという。

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 宿は2件ほど見たのだが、最近できたばかりという綺麗なホテルに決めた。しかし、チェックインしたものの周りには小さな食堂が1件あるだけで後は何も無い。バイクタクシーなどの足も無さそうなので、送ってくれたバイクタクシーの運転手と再度交渉し、パッタルン滞在期間中の専属運転手として契約を交わした(契約と言っても電話番号を交換して、どこか行く時は連絡するというものだが)。次の移動先でのスケジュールなど考慮するとパッタルンでの滞在期間は1日のみ。南部特有の料理や文化など垣間見れたら良いなと思っていたが、ここパッタルンは南部といってもマレー文化が入り込んでいる気配もないし、ハートヤイやソンクラーのように中華圏文化が入り込んでいるという雰囲気もあまり感じない。どちらかというと、タイ中部の一地方都市の様な感じだ。夜になり駅前の市場を散策したが特に目新しいものに出会う事はなかった。

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 パッタルンには“パッタルン FC”というDivision-2南部地区に所属するクラブがある。かつて南部では強豪として知られ、2012年シーズンにはDivision-1で戦っていたこともある。ホームスタジアムの”パッタルン・スタジアム”は国道41号線から少し入った場所にあり、パッタルン市内からバスターミナルへ向かう途中に位置する。前回訪れた際はDivision-2南部地区で優勝争いをしており、スタジアムは沢山のサポーターで埋まり、「一地方都市なのにこんなに盛り上がるものなのだな」と感心したものだ。メインスタンド付近には屋台がたち並び、バンコクではあまり目にする事のない”麺屋台”なども出店していた。スタンドに目を移せば、これまたバンコクのスタジアムでは見られない”売り子”が存在し、飲み物の他、スルメやお菓子、果物などを売り歩く姿を見ることが出来る。残念ながら今シーズンはサスペンションでリーグに参加しておらず試合を見ることは出来なかったが、「またこのスタジアムでサッカー観戦を楽しみたい」と、牧歌的な雰囲気のあるこのスタジアムに懐かしさを感じつつ帰路についた。


                                    【写真 / 文:Samurai x TPL】


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