コラム

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2015/07/15

[ Vol.4 タイ南部 クラビ県 ]
Division-1 2015 第10節 クラビ FC vs エアフォース・セントラル FC ①


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 トラン市内のバスターミナルから約2時間半、クラビ市内に入り、クラビ空港やクラビ・スタジアムを過ぎた辺りにある、ペッカセム通りのクラビ・バスターミナル付近へと到着した。ソンクラーやトランでは晴れていたが、ここクラビでは雨は降っていないものの、どんよりとした曇が空を覆っていた。クラビ県は映画「ザ・ビーチ」の舞台となったピピ島周辺や、アオナン・ビーチ、プラナーン・ビーチといった複数のビーチリゾートがあり、美しい手つかずの自然も多い事から、タイ国内はもとより、外国からも人気のある観光地として有名だ。

 クラビ市内のゲストハウスへチェックインし、荷物を置くとすぐにクラビFCのホームスタジアムである「クラビ・スタジアム」へと向かった。「クラビ・スタジアム」はクラビ市内からクラビ空港へ向かう途中のペッカセム通り沿いにあり、周辺には “ビッグC” や “テスコロータス” といった大型デパートやバスターミナルがあるため、クラビ市内の主要交通機関である乗合トラック(ソンテオ)に乗っていく事が出来る。今回は待ち時間の無いバイクタクシーで向うことにし、クラビ市内から約10分ほどで「クラビ・スタジアム」へと到着した。

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 ペッカセム通りからスタジアムの敷地に入ると、南部特有の石灰岩の岩壁を持つ切り立った山々が目に入ってきた。白い岩壁と木々の緑とのコントラストが非常に美しく、タイ南部以外では見ることが出来ない景観にしばらく見入ってしまった。キックオフ2時間前のスタジアム周辺では、気の早いサポーター達がビールなどを飲みながら大音量の音楽を流しながら談笑している。スタジアムグルメ?の屋台に目を移すと、机に並べた色んな食材をその場で調理してくれる簡易食堂などもある。チケット売り場では、ソンクラーでもそうであったように、ヒジャブを纏った女性が多く見られた。アウェー側入り口付近には対戦相手のエアフォース・セントラルFCのサポーターもおり、どこから来たのかと声をかけると「バンコクから自分たちで車を運転して来たよ」とさも当たり前のように答えた。いやはや気合いの入ったサポーターである。バンコクからクラビまでは約800Kmもあるのだが…。

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 クラビFCにはタイリーグ5シーズン目となる前田遼平(ME)が所属しており、対するエアフォース・セントラルFCにはタイリーグ2シーズン目の船山祐二(MF)が所属している。「日本人対決」という意味合いを持つ事となった試合は、両チーム比較的静かな試合運びで、前半はホームのクラビFC、後半はエアフォース・セントラルFCがそれぞれ主導権を握る展開となった。前田、船山の両選手がピッチ上で存在感を示し、ポジションも同じ中盤という事もあって度々両者がマッチアップする場面も見られた。クラビFCが前半22分に先制点を奪い、このまま逃げ切るかと思われた83分、ショートコーナーから守備陣が棒立ちになった所をヘディングで決められ1-1の同点となった。そして、立て続けに取られてしまったPKはGKが素晴らしい反応で防いだものの、ロスタイムに決勝点となる2点目を決められ、エアフォース・セントラルFCの逆転勝ちでこの試合は幕を閉じた。

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 試合終了後、アウェーのエアフォース・セントラルFCは、その日のうちにバンコクまで帰るため、シャワーを浴びる時間ももったいないという勢いでバスに乗り込み、そのままクラビ空港へと直行した。ほんの数年前までは、ほとんどのチームは距離のある地方でのアウェー試合の場合、後泊が当たり前であった。しかし、LCCなど国内線が発達したことと、そのLCCがスポンサードするチームが多くなってきた事から、後泊はせず、その日のうちにホームタウンに帰るチームが多くなっているのが現状だ。とは言え、バスで10時間以上をかけて移動をするといったチームもまだ数多くある。今回のエアフォース・セントラルFCは飛行機の移動だったが、試合が終了したのが20時ごろ。飛行機とはいえ、各選手が家に着くのは果たして何時になるのだろうか。

                                         >> その②へ続く